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永くて、淡くて、甘い、幸福な夢をありがとう。

丸で貴方は、真昼に見る夢のように優しかった。尊かった。
僕は、日溜まりの中で、生きることが出来た。
僕は未だ、夢から醒めないけれど、どうか此から先、世界一大切な貴方が、仕合わせになりますように。

貴方に逢えて良かった。

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絶対温度
*テレビからは雑音しか発信されずに。
それでも、鬱陶しいと感じる隙間さえ無かったのだ。
僕は部屋の灯りを消して、体育座りで、頭を抱えた。
そうしなければ、頭がぐるぐる廻って、安定しなかった。
此まで抱えてきたモノは、大切なモノばかりだったけれど、今回ばかりは、そうでもなかったね。
壊してしまえば、良かった。
うん、全部、偽りで、だけど、結論の出ない話は好きじゃない。*
本当はあの時、貴方の心臓を攫って飲み込みたかった。
其の肉塊が動く事が、熱を帯びている事が、不自然で堪らなかった。
まるで無機質でない貴方を解ってしまったみたいで、とても哀しかった。
ねえ、そんなことを告白したら、貴方は赦してくれますか。

でもね、此、懺悔じゃないよ、きっと。
僕は何処かで、貴方の血液に溺れたいと願っているのかもしれない。
出来ることなら、貴方に、僕の心臓を剔抉して欲しいとも願っているのかもしれない。

十字架に救われる程度なら、事態はとても容易だった筈。
名前を教えて呉れないだろうか、と問うた。

名前なんぞは、果たして必要であろうか、と笑った。
僕達は、と続けた。今度は、笑ってはいなかった。

其れ以上は言って呉れるな、と懇願した。胸が痛んだ。
言葉の続きなど、聞かずとも知れていた。
何れ僕達は名前を知らなかった頃に戻るのだから、と、其れは必然なのだから、と。

矢張り何も分かっていない、と、また笑った。
憂いを湛えた表情は、飽くまでも変わらなかった。

そうでなければ何だというのだ、と訊いた。

違うのだ、そうではない。
若し、互いの名前を知ったらば、呼ばずにはいられなくなる、と、涕を流した。

嗚呼、其の言葉が真実だったなら、温もりだけで、生きていけもしたのであろうか。
嗚呼、それでも、私達は、何れ互いに手を振り合わねばならないのであろうか。

夜空に霞はかかれども、今夜も月は、美しかった。
貴方が、の、微熱、は、夢幻だと、そう言ったのは、嘘だったのかな。

もう此から先、誰とも相容れなくても、構わないよ。
ねえ、不確かな未来を賭けるなんて愚かだけれど、でも、それすら厭わない程に、大切な価値観を与えて呉れたから。
惜しくない。惜しくないのよ。
唯、僕、が、誰かに対して、過度な期待をし過ぎてしまって、そんなのは、誰にとっても、幸せとはいえなくて。

本当の幸いは、幸福なんて知らずに朽ちていけることだろう。